令和4年6月17日、徳島県議会一般質問(全文)
◆三十五番(庄野昌彦君) 新風とくしまの庄野でございます。
県政の重要課題について質問いたします。知事はじめ理事者の皆様方には、温かい御答弁をお願いしておきます。
早速、質問に入ります。
質問
まず初めに、原油・物価高騰の長期化への対応及び山積する課題へ対応するため、財源確保にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
本県では、早速、五月臨時会の開催により、事業者、県民生活への支援など緊急対策が予算化されるとともに、今定例会でも追加対策が提案されており、これまでの対応については十分に評価したいと思います。
しかし、今般の物価高騰は、ロシアのウクライナ侵攻などにより、原油や原材料の高騰に加え、円安が大きく影響しております。米国が、従来の金融緩和政策を転換し利上げを加速するのに対し、日本は、なおもデフレ脱却を掲げたまま大規模な金融緩和を続けていることから、投資家は、金利の高いドルを買い、低金利の円を売るため、円安が止まりません。
今後、長期化する可能性もあり、物価高はさらに進む可能性が危惧されており、今後においても追加の対策が行える体制を整えておくべきだと思います。ただし、原油・物価高騰は、新型コロナと同様、国、世界全体の問題であり、国の責任においてしっかりと財源確保していただくことが必要なのではないかと考えます。
また、来年度の国の予算編成に向け、骨太の方針が示されました。国の財政状況は極めて厳しい状況であり、骨太の方針では、感染収束後、早期に地方財政の歳出構造を平時に戻すとの記述があるところです。
しかし、コロナ収束後、平常時の財政状況、つまり臨時交付金などの特別な財源がなくなった場合でも、地方においては、デジタル化、脱炭素化の推進、少子高齢化、災害への備えなど、喫緊の課題が山積しております。このため、引き続き安定的な財源の確保が必要でありますが、しっかりとその必要性、有効性を訴えて、国全体の発展のためにも必要であると説明しなければ、地方交付税は削減されるおそれがあります。
そこで質問ですが、長期化する原油・物価高騰をはじめ山積する課題へ対応するため、財源確保にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。
次に、脱炭素の取組をさらに進めていただきたいという趣旨で質問いたします。
国連のIPCCが公表した最新の報告書では、温暖化対策に一刻の猶予もないとしております。海面上昇や、農業、漁業の被害、感染症の流行など、被害は拡大しており、異常気象は今後も増えるとしております。
そして、再生可能エネルギーの割合を高めることは、脱炭素だけでなくエネルギー安全保障にもつながると指摘しています。私も同感です。
今年は、温暖化を防ぐ国際的なルールである国連の気候変動枠組条約の採択と、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた地球サミットから三十年の節目の年でございます。
当時十二歳だったカナダの環境NGOのメンバー、セヴァン・スズキさんは、地球サミットの演説でこう言っておりました。世界中の国の大人たちが、戦争のために使っているお金を、平和のため、環境、飢餓の問題のために使えば、この地球がすばらしい星になるでしょう。今、この言葉を、私たちは重く受け止めなければいけません。
ロシアのウクライナ侵攻で、どれだけの殺りくと破壊が起こってしまったのか。国際世論の力で、この無益な侵攻をいっときも早く止めねばと思います。戦争は、最大の環境破壊であり、人権侵害であり、地球温暖化防止にも大変逆行しております。
さて、温暖化防止に向けて、脱炭素社会実現の切り札として今世界中の注目を集めているのが、燃焼しても二酸化炭素を排出しない水素の利活用でございます。
本県では、水素グリッド構想を強力に推進しています。我が会派の臼木議員も県議会でテーマにしてこられました水素バスをはじめ、これまで全国の一歩も二歩も先を行く事業を展開してまいりましたが、まだまだ県民には水素の持つ可能性が浸透し切れていないと私は感じております。
そこで、お伺いします。
本県の水素グリッド構想での取組を生かし、脱炭素社会の実現へさらなる機運醸成を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、食品ロス削減の推進についてお伺いいたします。
食品ロス問題は、本会議でも多くの議員が取り上げてきましたが、ロシアのウクライナ侵攻が長期化すれば、輸入に頼る我が国の食料事情は大変厳しいものになるのではないかと心配しています。
食品ロスの削減は、今や世界的な課題であり、SDGsの目標十二の、つくる責任、つかう責任にひもづいたターゲットの一つに、二〇三〇年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させるとの目標が掲げられております。
国連食糧農業機関FAOによると、世界の食料廃棄量は年十三億トンで、生産量の三分の一が捨てられており、国内の食品ロスは、農林水産省の二〇一九年度推計値で年五百七十万トン、その内訳は、事業者が三百九万トン、家庭が二百六十一万トンとなっており、東京都民が一年間に食べる量に匹敵すると言われております。食料の多くを輸入に依存している我が国として、食品ロスの削減は真摯に取り組むべき課題だと思います。
二〇一九年に施行された食品ロス削減推進法は、生産者、事業者、消費者を含めた全ての利害関係者に食品ロスを減らす責任があると規定しています。また、食品関連事業者に加え、廃棄される食品を企業などから譲り受け、福祉施設や生活困窮者などに届けるフードバンクの活動に対する自治体の支援についても規定しております。
本県でも、多くの企業や団体、個人が、まだ食べられる食品をフードバンクに寄贈され、日々、食品ロス削減に向けて地道な活動を実施されております。それらの取組には頭が下がります。
このような状況の中、新型コロナ感染症が猛威を振るい、それも三年目に入り、収入が減少し、生活に困窮し、子供に食事を満足に食べさせられない家庭も増えていると聞く一方で、まだ食べられるにもかかわらず捨てられる食品ロスは発生しております。食品ロスを削減するには、まず、食べられるにもかかわらず廃棄される食品を減らすことから始めなければなりません。
そこで、お伺いします。
食品ロスの削減に向け、食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
次に、ウッドショックを機に県内において需要が高まっている県産材について、今後の利用拡大に向けた取組、特に木育の推進についてお伺いいたします。
本県では、昨年の十月、あすたむらんど徳島に、徳島木のおもちゃ美術館がオープンいたしました。多くの子供さんや御家族が来館され、木のぬくもりや魅力が大いに発信されております。
私も何回か行かせていただきましたが、徳島すぎがふんだんに使われた施設で、改めて木のよさを感じることができました。美術館には、木を知り、木を使う意義を学ぶ木育拠点として、大きな意味を持つと私は考えております。
森林は、成長時には多くの二酸化炭素を吸収するとともに、木材となって建築物に利用されることになると、その建築物は長い期間、二酸化炭素を固定できることから、都市部における第二の森林とも言われており、木材を伐採、利用し、再び植林するというサイクルを続けることは、地球温暖化防止対策において大変重要な取組でございます。
しかしながら、日本の木材自給率は令和二年で四二%と、半分に届いておらず、豊富な森林資源を有効活用できている状況ではありません。
昨年度から国内で起きているウッドショックは、この外材に依存していたことが原因で一気に木材不足になったとも言われており、今、建築業界では、安定的な木材確保に向けて、国産材への転換を進める動きが出てきております。
一方、ここで肝腎なのは、ウッドショックが解消されればまた以前のように外材依存に戻るということがないように、県産材利用の意義やその効果を広くPRしていくことだと考えます。そして、その鍵を握るのが木育ではないかと考えます。木育を通じて、県産材利用が地球温暖化対策や社会経済の発展など持続可能な開発目標SDGsにも貢献できるということを、子供たちをはじめ幅広い世代に伝えていくべきと考えます。
そこで、お伺いいたします。
ウッドショックを機に、県産材利用拡大に向け、徳島ならではの木育の展開加速を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
御答弁をいただき、質問を続けてまいります。
答弁
(飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 庄野議員の御質問にお答えさせていただきます。
原油・物価高騰の長期化や今後の財源確保への対応について御質問をいただいております。
コロナ禍の影響が長期化する中、ウクライナ情勢に伴う原油・物価高騰などにより、厳しい状況に置かれている県民、事業者の皆様の暮らしと命、業と雇用を守るには、地域の実情に応じた対策を迅速に実施するための財源確保がまさに必要不可欠であると、このように認識いたしております。
このため、国の経済対策の策定に当たり、全国知事会ともしっかりと連携し、地方がちゅうちょなく対策を講ずることができるよう、財源措置を強く提言した結果、四月二十六日に閣議決定がなされましたコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策では、私が全国知事会長として、都道府県あるいは市町村が地域の実情に応じコロナ対策に使うことのできる財源が必要である、こう提言し実現いたしました地方創生臨時交付金、その一兆円の増額が盛り込まれたところであります。
これを受け、本県におきましては、県民、事業者の皆様方の不安払拭に向け、迅速に五月補正予算を編成し、中小・小規模事業者への資金繰り支援強化、農林漁業者への燃油・飼料高騰負担軽減、生活困窮者や子育て世帯への支給金の給付など、緊急対策を実施いたしますとともに、今回の六月補正予算案では、社会経済活動の回復に向けた需要喚起策として、飲食、交通、生活衛生に係る額面総額四十億円に及ぶクーポン事業や、地域活性化のイベントへの支援など、切れ目のない対策を講じてまいりたいと考えております。
このように、追加配分された臨時交付金四十億円を最大限に活用し、五月補正予算、また六月補正予算案を編成するとともに、本年二月、令和四年度第一号補正予算における県版Go To トラベル事業を連動させることで、事業規模二百八十三億円、予算総額百十二億円となる県版総合緊急対策として一体的に取りまとめ、アフターコロナに向けた取組を強力に推進いたしてまいります。
また、ウクライナ危機の長期化や円安のさらなる進行など、先行き不透明な状況が続く一方で、国が掲げる新しい資本主義の重要な柱であるデジタル田園都市国家構想の実現や、GX・DX活用における新次元の分散型国土の創出には、主役となる地方の安定的、継続的な財源確保がより一層重要になると、このように認識いたしております。
このため、国に対し、来年度予算編成に向けまして、地方一般財源総額確保について提言し、骨太の方針二〇二二におきまして総額確保の方針が堅持されたところではありますが、さらに、留保されている地方創生臨時交付金二千億円の早期解除、令和五年度以降の地方創生臨時交付金の存続をはじめとした地方の財源確保について強く求めてまいったところでもあります。
今後とも、暮らしと命、業と雇用を守り抜くという強い気概の下、原油・物価高騰対策をちゅうちょなく講じていくとともに、ポストコロナ新時代をしっかりと見据え、GX、DX、二つのXを推進エンジンといたしまして、国難打破に向け、全力を傾注してまいります。
(勝野副知事登壇)
◎副知事(勝野美江君)
県産材の利用拡大に向けた木育の展開加速についての御質問をいただきました。
県土の四分の三を占める豊かな森林を守り育て、次世代に引き継ぐためには、県産材のよさや利用の意義を学ぶ木育を通じて、県産材の利用を図り、森林資源の循環につなげることが大変重要であると考えております。
また、全世界が共通の課題認識の下、二〇三〇年のSDGs達成、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現を目指す中、国境を越えた普遍的な概念である木育の重要性は一段と高まっております。
このような国内外の潮流を捉え、本県におきましては、あらゆる世代が集い、森林の大切さ、木材のよさなどを学び、遊び、体験できる木育とにぎわいの拠点として、都道府県立で初となる徳島木のおもちゃ美術館を昨年十月にオープンいたしました。
議員も何度も行っていらっしゃるということですが、私も昨年、早速行かせていただきました。本当に木のぬくもりが感じられるすてきな場所になったと思います。
そして、この木のおもちゃ美術館、実は既に来館者が八万人を超えておりまして、年間目標を十万人にしていたんですけれども、これを追い越す勢いで伸びております。
また、ウッドショックに伴いまして、県産材回帰に対する関心も高まっており、議員お話しのとおり、まさしく今は美術館での木育をさらに推進する好機であるというふうに認識しております。
そこで、美術館を訪れた方に対し、水源涵養をはじめ、県産材利用がもたらす多くの効果や、森林・林業・木材産業に携わる方々の営みにつきまして、伐採や木工作業の臨場感あふれた動画も積極的に用いたとくしま木育ガイドブックを新たに作成することとします。これによって、幅広い世代が共に学び合える本県木育の新たなバイブルとしていく予定にしております。
また、美術館の木育効果を全県的に展開するため、木育の伝道師おもちゃ学芸員の皆様の御協力の下、移動木のおもちゃ美術館を新たに開催することとし、この実施に際しましては、先ほどの木育ガイドブック、これを有効活用していくことにしております。
さらに、移動美術館におきましては、昨年、東京オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザで活用されました里帰りした県産材がございますので、これで製作したベンチやテーブルを参加者が交流する場に設置することで、持続的な社会に向けた県産材利用の重要性を広く県民の皆様に周知してまいります。
今後とも、全国屈指の木育拠点、徳島木のおもちゃ美術館を核に、木に学び、木とふれあい、木でつながる、徳島ならではの木育を展開加速し、将来に向け、県産材利用の輪が一層広がるよう、しっかりと取り組んでまいります。
(谷本政策監補兼危機管理環境部長登壇)
◎政策監補兼危機管理環境部長(谷本悦久君) 幾つか御質問いただいております。
まず、脱炭素社会実現へ、水素活用の機運醸成をどのように図るのかとの御質問でございますが、究極のクリーンエネルギーとして大いに期待される水素について、本県では国に先んじて、平成二十七年、徳島県水素グリッド構想を策定し、中四国初となる県庁舎での水素ステーションや、地方空港初の燃料電池フォークリフトの導入など、未来を先取りする着実な社会実装を進めてまいりました。
また、昨年十二月には、燃料電池バスSORAが、走る広告塔として、徳島バス鳴門線で、中四国初の路線運行を開始するとともに、本年四月十五日には、全国初となる地産水素を活用した製造・供給一体型の水素ステーションが東亞合成徳島工場に開所したところであります。
六月七日に閣議決定された新しい資本主義のグランドデザインでは、水素の利活用がクリーンエネルギー戦略の推進に不可欠なものと位置づけられ、待ったなしとされる脱炭素社会の実現へ、官民挙げた水素実装の加速化が求められております。
一方、水素社会の実現に向けて、さらなる技術革新を呼び起こし、利活用を促進するためにも、議員お話しのとおり、県民の皆様に水素の持つ大きな可能性を理解いただけるよう、これまで以上の機運醸成を図ることが重要であると考えております。
そこで、四国インターハイでのシャトルバス利用による燃料電池バスの情報発信、徳島県総合防災訓練初となる走る大型発電所としての燃料電池バスの外部給電の実施、高等教育機関と連携したGX人材の育成プログラムの創出など、県民の皆様が身近に水素を体感いただける場を創造してまいります。
また、ビジネス面でも、徳島ビジネスチャレンジメッセ二〇二二において、水素関連の特別展示に併せ、水素と二酸化炭素を合成し燃料メタンを発生させるメタネーションをはじめ、新時代の脱炭素技術に関するセミナーを開催し、積極的に機運醸成を図ってまいります。
今後とも、脱炭素社会の救世主水素の社会実装を着実に進め、二〇二五年大阪・関西万博の舞台で、水素が導く新時代の姿を実感いただき、徳島の魅力を大いに発信できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
次に、食品ロスの削減に向けどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、大量生産大量廃棄型の経済社会から、持続可能な形で資源を利用する循環型経済社会への移行が世界の潮流となる中、依然、我が国においては、令和二年度実績で、世界の食料援助量の約一・二倍、年間五百二十二万トンの食品ロスが発生しております。
食料の多くを輸入に依存している我が国として、食品ロスの削減は極めて重要な課題であり、令和元年度に開催した食品ロス削減全国大会in徳島を契機として、徳島ならではの食品ロス削減対策の一層の強化を図っていくため、令和二年度に、消費者や事業者、行政などの役割を明確化した徳島県食品ロス削減推進計画を策定いたしました。
この計画を踏まえ、県内事業者に対し、食べ切りの呼びかけや、食べ切れる量の提供を行う「とくしま食べきるんじょ協力店」への登録を推進した結果、令和四年四月現在では、令和元年度末と比べ約一・五倍、九十一店舗へと増加するとともに、仕入れ時の適量発注や食材の使い切り、フードバンクへの未利用食品の提供など、事業系を中心に食品ロス削減の取組が浸透し、その成果が現れております。
今後、さらに食品ロスを削減するためには、議員お話しのとおり、まず、食べられるにもかかわらず廃棄される食品を減らすことが重要であり、県内で廃棄される食品のうち約六〇%を占める家庭系食品の廃棄を抑えることが不可欠であると認識しております。
そこで、本年十月の食品ロス削減推進月間において、とくしま環境県民会議や県消費者協会とも連携し、買物前の冷蔵庫の確認や必要量の購入など、家庭での食品ロス削減に重点を置いたキャンペーンを実施してまいります。
また、昨年度、消費者庁との連携による食品ロス削減推進サポーター育成に向けた試行調査事業のモデル県として、全国に先駆けて、サポーターの育成や食品ロス削減について学び実践するためのガイドブックの作成に取り組んだところであり、今年度は、育成したサポーターを中心に、学校現場や公民館などにおける出前講座や、エコみらいとくしまのスタジオを活用したオンライン配信など、地域に根差した普及啓発活動を積極的に実施し、家庭における食品ロスの削減を促進してまいります。
今後とも、消費者や事業者、行政などのあらゆる主体が連携し、県民総ぐるみで、食べるものを無駄にしない意識の醸成とその定着にしっかりと取り組み、環境首都とくしまの実現を目指してまいります。
答弁に対するコメント
(庄野議員登壇)
◆三十五番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントをさせていただきます。
まず、ウクライナ情勢が長期化して円安が進むとなると、生活者の暮らしはますます厳しくなってきます。今すぐ対策を打たなければ、厳しい状況になる御家庭も増えてくるのではないかと危惧しています。
知事からは、今後とも暮らしと命、業と雇用を守り抜くという強い気概の下、国難打破に向けて全力で取り組むとの力強い答弁をいただきました。ありがとうございました。
次の脱炭素の取組につきましては、本県の水素グリッド構想の推進は目をみはるものがあります。御答弁では、機運醸成に向け、四国インターハイでのシャトルバス利用による燃料電池バスの情報発信、総合防災訓練での走る大型発電所としての燃料電池バスの外部給電の実施、二〇二五年大阪・関西万博での発信など、順次、水素機運の醸成に向けた前向きな取組が予定されております。
今後、さらに県民への浸透を図り、普及促進が図られますようにお願いしておきます。
食品ロスは、地球上の大きな問題です。ロシアのウクライナ侵攻で、食料は世界中で逼迫傾向です。貴重な食べ物を無駄にしない努力をみんなで行っていく必要があります。みんなで問題意識を持って頑張っていこうではありませんか。
そして、県産材の利用拡大、木育の部分でございますが、県産材の利用拡大は、山を守っている方々の収益アップにつながりますし、再生産が可能になります。川上から川下まで、それぞれが協力しながら、本県林業の活性化につながっていってほしいと思います。
御答弁では、徳島木のおもちゃ美術館を訪れた方に対して、水源涵養をはじめ、県産材利用がもたらす多くの効果や森林・林業・木材産業に携わる方々の営みについて、伐採や木工作業の臨場感ある動画を用いたとくしま木育ガイドブックを製作していただけるということや、移動木のおもちゃ美術館を開催し、全県展開を図っていただけるということで、非常にうれしく思っております。
これからも、徳島ならではの木育を加速し、県産材利用の輪が一層拡大することを願っております。
それでは、質問を続けます。
質問
次は、動物由来感染症対策についてであります。
私は、徳島県の獣医師職員として家畜防疫等に携わってきた経験を踏まえ、これまで、高病原性鳥インフルエンザ、狂犬病、エボラ出血熱など、動物由来とされる感染症に関する質問を行ってまいりましたが、このたび、新たな感染症である新型コロナウイルス感染症の発生を受け、改めて動物由来感染症対策について質問させていただきます。
現在、感染症法で規定されている人の感染症において、約六割以上が動物由来であると言われており、新型コロナウイルス感染症に代表される新たに出現する新興感染症、克服したと考えられていましたが再び流行する再興感染症、そしてサル痘など海外から持ち込まれる可能性のある輸入感染症なども多くが動物由来とされ、その対策は喫緊の課題であります。
このような感染症の脅威に対し、動物側で発生している感染症情報をあらかじめ人側と共有しておくことが感染症対策に有効であり、県では、動物由来感染症対策検討会を設置し、獣医師と医師の情報共有の場として既にこの機能を有し、また、さきの県議会での議論を踏まえ、検討会を進化されたとお聞きし、徳島県での対策は他に先んじて行われているものと承知しております。
さらに、新たに発生する感染症への脅威に立ち向かうためには、人と動物の健康に環境問題である生態系の健康を加えた新たな感染症対策とされるワンヘルスの理念を広く浸透させることが非常に重要であり、この検討会こそがその中核をなし得る会であると確信しております。
しかし、我々獣医師や医師だけがワンヘルスを理解し、実践につなげるだけではなく、これからは県民がワンヘルスの理念を正しく理解していただく必要性があると感じております。
そこで、お伺いいたします。
県民へのワンヘルスの理念の浸透を図るためにどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
次に、子供たちに対するきめ細やかな心のケアについてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症については、感染者数が増減を繰り返す中で徐々に減少傾向が見られており、政府が外国人観光客の受入れ再開といった水際対策の緩和を進め、社会経済活動の回復に向けた施策を打ち出すなど、ウイズコロナ、アフターコロナ社会を見据えた動きも見られます。
学校現場においても、これまで制約があった修学旅行や遠足、運動会といった学校行事についても、感染防止対策が講じられ、工夫して実施している学校が徐々に増えているとお聞きしております。
一方で、昨年度、県が実施したコロナ禍における子供と保護者を対象とした実態調査の結果によると、約六割の子供が、不安や悩み、ストレスがあると回答し、そのうち約四割の子供が、新型コロナウイルス感染症の影響があると回答しており、子供たちを取り巻く環境は、コロナ禍の影響を受け、依然厳しい状況にあります。
また、ここ数年、児童生徒の自殺者数が増加傾向にあるとのことで、コロナ禍からの脱却に向け、子供たちが元気を取り戻すための支援が今まさに必要であると考えております。そのためには、常に子供たちに接している教員が子供たちの変化にいち早く気づき、きめ細やかで迅速なケアをしていくことが大事であると考えます。
そこで、お伺いします。
子供たちが抱える不安や悩み、ストレスなどの早期発見、早期解決に向け、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。
次に、中学校の運動部活動の地域移行についてお伺いいたします。
近年、少子化の影響を受け、学校の運動部活動を維持することがますます困難になっていると聞いています。また、部活動が教師にとって大きな業務負担となっていることから、働き方改革推進の観点においても部活動改革が求められております。
そんな中、公立中学校等における運動部活動の地域移行について検討を進めてこられたスポーツ庁の有識者会議が、去る六月六日、提言書を提出しました。提言書によると、部活動改革によって、少子化の中でも持続可能なスポーツ環境の確保や教員の働き方改革の推進が図られる一方で、保護者の費用負担増、地域の受皿不足など様々な課題が指摘されております。
本県では、小学校のときから、バレーボール、バスケットボール、サッカー、野球など、地域の指導者の御協力をいただきながらスポーツ活動をしてきております。その延長線上として、中学校、高校まで続ける学生が多いのではないかと思っております。
そんな中、地域移行という大きな課題が現実のものとなってきております。本県出身の教育研究家妹尾昌俊氏のホームページを参考にさせていただきましたが、地域移行で期待される効果がある反面、問題、課題も多く指摘されております。
そこで、お伺いします。
公立中学校の運動部活動の円滑な地域移行に向け、様々な課題に対しどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。
最後に、会計年度任用職員の処遇改善についてお伺いいたします。
自治労が二〇二〇年六月に行った自治体会計年度任用職員の賃金・労働条件制度調査によれば、市町村を含む調査自治体における会計年度任用職員の平均比率は三八・三%で、特に市町村では高い比率となっております。
同調査によると、職種別の会計年度任用職員の比率は、消費生活相談員、学童指導員が九割以上、婦人相談員が八割以上、図書館職員が七割以上、学校給食関係職員、学校用務員が六割以上、保育士が五割以上と、恒常的な業務に多くの会計年度任用職員が従事し、地方行政の重要な担い手となっております。
適正な任用、勤務条件の確保を目的に、二〇二〇年四月から会計年度任用職員制度がスタートし、各種休暇制度の確立や期末手当の支給など、一定程度は改善しましたが、会計年度任用職員には、地方自治法の制約等により、勤勉手当が支給されておらず、常勤職員との均衡そして均等、いわゆる同一労働同一賃金が実現したと言える状況ではありません。
既に徳島県では、勤勉手当の支給を可能とする政策提言を国に行ったと承知しておりますが、安定した行政サービスの維持向上のためには会計年度任用職員の処遇改善は急務であることから、あらゆる機会を通じて国に要請すべきと考えます。
また、会計年度任用職員の八五%を女性が占めるという実態があり、妊娠、出産、育児等のライフイベントが生じ得ることから、仕事と家庭生活の両立をより一層推進するため、育児に関する休暇制度の拡充を図る必要があると考えております。
そこで、お伺いいたします。
勤勉手当の支給や育児に関する休暇制度の拡充など、会計年度任用職員の処遇改善を推進するべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
御答弁をいただき、再度登壇させていただきます。
答弁
(飯泉知事登壇)
◎知事(飯泉嘉門君) 県民へワンヘルスの理念浸透を図るため、どのように取り組んでいくのか、御質問をいただいております。
ワンヘルスの理念とは、人と動物の健康と環境の健全性を一つのものとして捉える考え方であり、議員お話しのとおり、県民の皆様方への理念の浸透が、動物由来感染症の発生予防とパンデミック防止に向けて極めて重要であると、このように認識いたしております。
県では、二〇〇四年、平成十六年から、医師と獣医師による情報交換の場として徳島県動物由来感染症対策検討会を開催し、野生鳥獣や犬猫における病原体の保有の状況、保健所や動物愛護管理センターでの感染症対応事例など、最新情報や課題解決策の共有を図ってまいったところであります。
本年二月定例会での御論議を踏まえまして、去る六月二日開催いたしました検討会では、新たな委員として環境分野の有識者にも御参加いただき、気候変動によりデング熱などの感染症を媒介する熱帯系の蚊が北上していること、積雪の減少により野生鳥獣の活動が広域化していること、人に病気を感染させる意味で機会が増加していることなど、動物由来感染症と環境問題が密接に関係していることの御意見をいただいたところであります。
そこで、県では、医師、獣医師、環境分野の関係者と連携し、気候変動が動物由来感染症に与える影響や、ダニや蚊など感染症媒介動物の生息域の変化をはじめ具体的な事例を挙げながら、分かりやすく情報を発信するとともに、環境教育の場においてワンヘルスの理念を啓発するなど、広く県民の皆様方に普及展開し、浸透を図ってまいりたいと考えております。
また、動物由来感染症対策検討会につきましては、感染症や環境に関する調査研究、県民への迅速で正確な情報発信、人や動物における感染予防対策の啓発など、ワンヘルスの実践に向けた取組に対し、医療、獣医療及び環境分野の専門的見地から必要な助言や提言を行っていただく、いわゆるアドバイザリーボードへの進化を目指してまいります。
今後とも、車の両輪である県議会で御論議いただきながら、県民へワンヘルスの理念が着実に浸透するよう、その取組を加速し、人と動物の健康、環境の健全性が一体的に守られる、そうした形でしっかりと取組を進めてまいります。
(榊教育長登壇)
◎教育長(榊浩一君) 二点御質問いただいております。
まず、子供たちが抱える不安や悩み、ストレスなどの早期発見、早期解決に向け、どのように取り組むのかとの御質問でございますが、二年余りにわたる新型コロナウイルス感染症の拡大は、マスクや手指消毒、黙食など新たな生活様式の導入、修学旅行や運動会など学校行事の自粛、部活動での相次いだ大会の中止や練習時間の制限など、これまで学校が経験したことのない大きな変化を及ぼすとともに、子供たちにも、自身の感染への不安や長期にわたる自粛によるストレスなど、非常に大きな影響を与えたと認識しております。
社会経済活動が徐々に正常化に向け動き出す中、学校がかつての日常を取り戻すためには、まず第一に、子供たちが抱える心の問題にいち早く気づき、解決に向け、きめ細やかで適切な心のケアが急務であります。
これまで県教育委員会では、子供たちが独りで悩みを抱え込むことがないよう、LINEを活用したSNS相談の開設、二十四時間子供SOSダイヤルの設置など、相談しやすい環境づくりに努めてきたところであり、昨年度からは、スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤーなど専門家との連携による3S活用モデル事業を実施するなど、一層の相談支援体制の充実に取り組んできたところです。
また、日々子供たちに接している教員が子供に寄り添い、よりきめ細やかな支援ができるよう、子供のSOSにいち早く気づき、解決に導くスキルを高めるゲートキーパー養成研修、臨床心理士や精神科医から子供たちへのストレスケアの指導方法等を学ぶいのちと心の授業、具体的な事例検討を通し指導力を高めていく教員スキルアップ研修など、教員が子供たちの悩みをしっかりと受け止め、解決に導く力を養ってきたところです。
さらに、大学と連携して、心の問題の未然予防を図るプログラムを活用し、子供たちがワークショップ型の学習を通して自己肯定感を高めることを学ぶ徳島版予防教育の一層の推進に取り組んでおります。
加えて、一人一台端末を活用した心のケア支援システムを導入し、子供が日々の心の状態について、晴れ、曇りといった心の天気を入力することにより見える化を図り、教員が子供の僅かな変化にいち早く気づき、迅速なケアにつなげるとともに、子供自身も毎日の状態を把握し、自ら改善に向け考え行動することができるよう、新たな取組を進めているところです。
県教育委員会といたしましては、引き続き、教育相談体制のさらなる充実を図るとともに、教員の一層の指導力向上に努め、全ての子供たちが生き生きと学校生活を送ることができるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、公立中学校の運動部活動の地域移行に向け、様々な課題に対しどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、全国的に進む少子化により、学校の運動部活動は、チーム編成ができず、単独で試合に出られなかったり、ふだんの練習もできない場合があったりと、地域によっては学校の部活動を継続することが困難な状況となっております。
本県におきましても、複数の学校で合同チームを編成し大会に出場することが進められており、特に生徒数の減少が激しい過疎地域においては、郡市単位でのチーム編成が難しい学校もあることから、今年度から県中学校体育連盟と連携して、従来の郡市予選制度を見直し、県内六ブロックでの予選制度とすることにより、郡市を越える学校間で合同チームを編成できるよう改めたところです。
また、部活動が教員の長時間労働の大きな要因となっていることから、働き方改革の観点においても、部活動改革の推進が急務となっております。
去る六月六日、国の運動部活動の地域移行に関する検討会議は、公立中学校における休日の運動部活動の指導を地域のスポーツクラブや民間事業者などに委ねること、令和五年度から三年間を改革集中期間とし、地方公共団体は具体的な推進計画を策定することなどの提言をスポーツ庁へ提出いたしました。
本県では、令和三年度から、地域移行に向けた実践研究に取り組んでおり、指導者の確保や費用負担の在り方、学校部活動と地域との役割分担、平日と休日の指導の連携協力体制の構築などの課題解決に向け、今年度は県立三校と小松島市の二校でモデル事業を実施しております。
生徒や教員からは、専門性の高い指導により競技力が向上した、時間外勤務が減少したなどの声が聞かれる一方で、受皿となる指導者や事業者の不足、学校と地域スポーツ団体等との連携強化、保護者の費用負担の在り方など、改めて地域移行に向けて解決すべき課題が見えてまいりました。
今後、こうした成果や課題を踏まえた上で、新たに、市町村教育委員会、競技団体等から成る運動部活動の地域移行推進協議会を来月を目途に立ち上げ、県内公立中学校運動部活動の円滑な地域移行に向け、具体的な検討を進めてまいります。
県教育委員会といたしましては、引き続き、地域の実情をしっかりと踏まえながら、本県中学生の持続可能なスポーツ環境の整備に全力で取り組んでまいります。
(伊藤経営戦略部長登壇)
◎経営戦略部長(伊藤大輔君)
会計年度任用職員の処遇改善を進めるべきとの御質問でございますが、会計年度任用職員については、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ多くの課題に全庁一丸となって取り組む中、公務の運営に欠かすことのできない存在であると改めて認識したところであり、給与や休暇取得の面で正規職員と同等の勤務条件を確保することは大変重要であると考えております。
まず、給与面につきましては、議員お話しのとおり、国の制度上、勤勉手当を支給できないことから、本県としては、五月二十日、中西総務副大臣をはじめ、制度を所管する総務省に対し、各自治体の判断で勤勉手当を支給することができるよう制度見直しを求める政策提言を実施いたしました。
さらに、五月三十一日には、同様の問題意識を有するほかの地方公共団体や本県から働きかけを行い、賛同が得られた関西広域連合の構成団体とともに、内閣府が実施する地方分権改革に関する提案募集に対し、徳島県を代表団体として、本件制度改善を共同提案いたしました。
今後とも、本県がリーダーシップを強力に発揮し、地方の実情をしっかり国に届け、制度改善の実現を目指してまいります。
次に、休暇取得に関しては、育児に関する休暇制度について、本年一月、産前産後休暇の有給化、産前休暇の取得期間の延長について、正規職員と同様の制度へと充実させるとともに、正規職員と同様に、不妊治療休暇の取得日数についても六日から十日へと拡充したところでございます。
また、五月二日に改正公布された地方公務員の育児休業等に関する法律においては、育児休業の取得回数制限が緩和され、夫婦交代での取得や男性職員の取得を容易にする制度改正がなされたことから、本県としても、十月一日の法施行日から、正規職員と同様、会計年度任用職員についても制度適用ができるよう、速やかに準備を進めてまいります。
今後とも、会計年度任用職員の処遇改善に努めることはもとより、職員一人一人が個人の事情に応じた多様な働き方が選択できる職場環境を構築することにより、ワーク・ライフ・バランスを実現し、県民サービスの向上につなげてまいります。
答弁に対するコメント
(庄野議員登壇)
◆三十五番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。コメントをさせていただきます。
ワンヘルスについてでございますが、徳島県における動物由来感染症対策は、平成十六年に設置されました検討会におきまして、医師と獣医師の情報共有の場として、先進的で非常に有効な取組を既に実践されております。さらに、温暖化などの環境問題を加味した新たな検討会へと進化され、まさに今後の感染症対策を実施する上で必須となるワンヘルスへの取組に向け、新たなスタートが切られたと実感しております。
しかし、ワンヘルスの理念につきましては、まだまだ広く県民に浸透しているとは言い難いため、県からの情報発信は積極的に実施いただきますとともに、県議会におきましても、議員各位の賛同をいただきながら、県民に向けた効果的なワンヘルスの理念の浸透策について議論を深めてまいりたいと考えております。
子供に対するきめ細やかなケアにつきましては、コロナが長期化する中、遠足や運動会など子供の楽しい思い出づくりが中止になる中で、子供のストレスも大きなものがあると思います。子供の自殺者も増加傾向にあり、大きな社会問題です。家庭、学校、地域、子供に関わる全てが子供に寄り添い、問題点を素早くキャッチすることが重要だと考えます。
教育長の御答弁では、教育委員会として、これまでLINEを活用したSNS相談の開設や二十四時間子供SOSダイヤルの設置、またスキルを高めるゲートキーパー養成研修、いのちと心の授業、一人一台端末を活用した心のケア支援システムを導入し、日々の心の天気の見える化を図っております。私は、これらの取組に敬意を表します。
しかし、個々の生徒の心の中は千差万別であります。これからも、子供に寄り添った相談体制のますますの充実をお願いいたします。
クラブ活動については、本県でも地域の事情がかなり異なっていると思いますので、市町村の教育委員会とも連携を密にして、しっかりと準備していただきたいと思います。
また、有識者会議は、心身に障がいがあったり競技志向ではなかったりする生徒の期待にも応える部活動を提唱されております。問題点を整理し、しっかりと進めていっていただきたいと思います。
会計年度任用職員は、自治体にとって大変重要な住民サービスの担い手でございます。しっかりと、給与面、福利厚生面でもサポートする体制づくりが必要でございます。
御答弁では、本県が代表団体となり、関西広域連合の構成団体と共に、各自治体の判断で勤勉手当が支給できるようにする制度提案もしていただいており、大変心強く感じております。本当にありがとうございます。
また、休暇については、本年一月より産前産後休暇の有給化、また本年五月の地方公務員の育児休業等に関する法律改正により、本県においても、育児休業の取得促進につなげるため、育休条例を十月一日施行に向け準備を進めているとの御答弁をいただきました。ありがとうございました。今後とも、処遇改善に向けての取組をよろしくお願い申し上げます。
今日は全体で八項目の質問をさせていただきましたが、それぞれ踏み込んだ精いっぱいの御答弁をいただいたと考えております。本当にありがとうございます。
結びとなりますが、県庁をはじめ県の部局は、コロナ禍が長期化する中、限られた人員体制の中で厳しい勤務状況が続いております。厳しい環境下でも、自らの職責を果たすために懸命に頑張っておられます職員の皆様方には、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
昨日の新聞で、大変多くの超過勤務の実態が報道されましたが、私は職員さんの健康を心配しております。職員さんが健康であって初めて、県民に寄り添った県民のための仕事ができると私は思っております。
知事さんはじめ理事者の皆様方にも、そのことに重々重きを置いていただきますように要望いたしまして、私の全ての質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)