2020.6 徳島県議会本会議場 代表質問

2020年6月議会代表質問(全文)2020年6月18日

(庄野議員登壇)

 私は、新風とくしまを代表して質問をさせていただきます。

 まず、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、今も、闘病生活を送られている方々、ご家族の皆様に対して、心からお見舞い申し上げます。

 また、この間、昼夜を問わず命がけで現場対応にあたっている、医療関係者並びに、関係各位に心より敬意を表します。

 4月16日に緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、国民は不要不急の外出の自粛、休業、テレワーク、学校の臨時休業などに協力し、感染拡大の防止に努めた結果、ようやく5月26日には全国的に宣言が解除されました。 

 しかし、様々な活動の自粛等に伴い、とりわけ中小企業、小規模事業者、観光業従事者や農林水産業が厳しい環境にさらされています。今回のコロナの影響は、1930年代の世界大恐慌にも匹敵するといわれています。本県でも、すでに、一次補正、2次補正と対策を打っているところですが、県民の命と暮らしを守るため引き続き、各部局連携し、機動性を持って取り組みを進めていただきたいと思います。

 大都市部を中心に、感染者が散見され、終息にはまだ至りませんが、第2波、第3波に備え、感染予防と社会・経済活動と両立させる「新しい生活様式」を引き続き模索し、この危機をみんなで乗り越えていきたいと思っています。

 6月4日には、オンラインでの全国知事会が開催され、新型コロナウイルス対策の強化を国に求める提言をまとめました。大都市部への過度な人口集中は感染拡大のリスクが高く、地方分散の必要性を強調し、人口分散に向けテレワークなど多様な働き方ができる環境整備や、中央省庁の地方移転などを進めるとしています。コロナ対策において、知事の発言や発信力が注目される中、全国知事会長として、大きな役割を果たしておられることに敬意を表しつつ、質問に入ります。

①まず、気候変動対策への取組みについてお伺いします。

 近年、国内では、この3年間に、九州北部豪雨、西日本豪雨、昨年の房総半島台風や東日本台風など、これまでにない大規模災害が発生しており、温暖化のもたらす気候変動の脅威が差し迫っております。

 気候変動に関して、1970年4月22日、環境問題への市民の関心を高め、政府の対策強化を求めるため、米国で大規模集会が開催されたことを契機に、世界に広がったアースデイという活動があります。今年は50周年の節目でありましたが、新型コロナウイルスの影響で、大規模集会ではなく、スウェーデンのストックホルムとアメリカのワシントンをつないだオンライン気候会議の開催が報道されておりました。

 その会議の中では、コスタリカからの出席者が、気候変動はマラリアやデング熱などを拡大させるだけでなく、気温が高くなり、雨が増えることで新たな病気の蔓延をもたらすとの警鐘が鳴らされておりました。

 私としては、この指摘のとおり、今後、地球温暖化による気候変動により、自然環境が変化することによって、人々の生活への影響が生じるとともに、住処(すみか)を広げた野生生物が人に近づくことによって、その生物がもつ未知のウイルスによる新たな伝染病を生じさせ、今回の新型コロナウイルス感染症のように、全世界でパンデミックを引き起こすことを強く危惧しているところであります。

 温暖化防止に向けては、世界各国で危機意識が共有され、日本も温室効果ガスの削減目標が設定されるなど、対策が進められているところであり、本県でも、徳島県地球温暖化対策推進計画を策定し、温暖化対策となる自然エネルギーの積極的導入、特に、私としてもこれまで後押ししてきた、普及が期待される水素の活用に向けた積極的な取組み等、これまでの先進的な取組みや、また、昨年の2050年・温室効果ガス排出実質ゼロの宣言も高く評価しているところであります。

 一方で、気候変動は、相次ぐ大規模災害が示すとおり、既に私たちの暮らしに影響を及ぼしていることから、新たな伝染病への対応も含め、その影響から県民の生命や財産を守る取組みを講じていくことも重要な課題であると認識しております。

 そこでお伺いします。

 気候変動対策として、脱炭素社会の実現に向けた対策とともに、気候変動による県民の生命や財産への影響を軽減する対策を講じるべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

②次に、本県への移住促進について更に力を入れるべきとの見地から質問します。

 先月15日、政府のまち・ひと・しごと創生本部は、東京圏に暮らす20~59歳の方のうち、実に49.8%が地方での暮らしに興味があるとするアンケート結果をとりまとめました。

 この情報を参考に、移住促進に向けたウェブサイトの創設が、この秋にも予定されているとお聞きしています。

 今回のコロナウィルス感染症の発生を受け、いわゆる三密状態が多い、大都市で今後仕事をし、暮らしていくといったスタイルから、少し不便でも、自然豊かな地方に住みたい、仕事を見つけたい、という流れ、傾向はますます強まるだろうと予測されます。

 本県はサテライトオフィスの誘致にも力を入れ、誘致企業数で全国1位を誇るなど、その成果も挙がっています。

 今後はテレワークを中心に、東京ではなく地元や自分の住みたい場所に住み、仕事をする、そのことが、都市部への人口集中を避け、根本的な感染症対策になると考える方も多いのではないでしょうか。

 こうした流れを察知され、飯泉知事におかれましては、早速今議会で、都市部の大学生が転入学や再入学により、県内の大学を選び直す「支援金」を補正予算としてご提案され、我々県議会も、先議により対応したところでありますが、こうした助成制度を最大限に活かしていくためにも、都市部の皆さんに、地方で暮らすことの選択肢を提示し、徳島ぐらしの素晴らしさを訴えていく必要があると考えます。

 そのためには、国がウェブサイトを新設して行う一元的な情報発信だけではなく、コロナ収束後の社会、いわゆるアフターコロナ時代を見据え、本県が有する魅力を、市町村や地域の皆さんとの連携を図りながら、県が率先して情報発信していくことが重要となるのではないでしょうか。

 そこでお伺いします。アフターコロナ時代における徳島の魅力発信をどのようにしていくのか、所見をお伺いします。

③次に、ポストコロナにおける、県としての企業誘致についてお伺いします。

 多くの方が指摘していますが、コロナ危機が終息したポストコロナの世界は、これまでとは大きく違うものになるだろうと私も考えます。

 まず、指摘されているのが、グローバル社会の危うさです。(5月2日新聞)コロナショックの特徴は、需要と供給を一気に凍り付かせたことであり、まず、中国で経済活動が停滞し、サプライチェーン(部品の調達・供給網)が寸断され、日本では部品調達の遅れで稼働停止に追い込まれる工場が相次ぎました。

 本県でも、家のリフォームなども、トイレや風呂などといった、水回り製品が納入されず、工事が進まないといった声を聞きました。これは、全国的な課題ではありますが、今までは、車や、家電製品、住宅機器など、製造業を中心に海外での製造がウエイトを占めていましたが、コロナ後は、サプライチェーンの見直しができてくるように思います。

 また、東レ経営研究所、宮原淳二氏は、(5月2日新聞)過度に加速する東京への人口集中を是正するため、今こそ企業の分散化を再考すべき時だと指摘しています。

 東京圏(1都3県)への人口流入は年々高まっており、総務省調査では、人口の約3割(3660万人)となっています。主たる要因は企業数の偏重です。東京に100人以上の企業が約37.0%も集中しています。利便性の高い交通インフラに加え、企業の本社機能や数多くのコンビニ等、経済合理性は高いと言われていますが、自然災害やウイルス感染にはもろいことが明らかになりました。

 そこでお伺いします。県としても、製造業から情報通信産業まで、幅広く誘致を進めてきていますが、コロナ後の企業の分散化を見据えた、積極的な企業誘致活動を推進してはどうかと考えますが、ご所見をお伺いします。

④次に、動物虐待防止、助けられる犬猫の殺処分ゼロを目指し、今後どの様に取り組むのかお伺いします。                                 

 私は、過去の質問においても、動物愛護思想の普及、啓発活動の重要性など、訴えてまいりました。動物愛護管理センターが神山町に開設され15年が経過する中で、県、市町村、獣医師会やボランティア団体をはじめ、関係者のご尽力により、犬猫殺処分数も、1万匹を超えていたのが700匹台へと減少してきました。動物を飼うということは、家族が増えることであり、動物の命は、飼い主の手にあります。これからも、引き続き、努力していくことが重要です。

 さて、県では、昨年「徳島県動物愛護管理推進計画」を新たに策定し、動物の適正飼養や助けられる犬・猫の殺処分ゼロを目指しています。そんな中、本年、6月1日には、虐待など動物の不適正な取り扱いへの対応強化を目的とする動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正が、一部施行され、「犬・猫の所有者に対する繁殖制限の義務化や、「ペットの殺傷・虐待に対する罰則」が強化されました。

 この一部改正では、ペットが大量に繁殖し、十分に世話ができない、多頭飼育崩壊の問題を見据え、「著しく適正を欠いた密度での飼育は虐待である」と明記するとともに、傷つけられたり、虐待された動物を診療した獣医師に対しても、これまで、努力規定だった通報が義務化されています。

 さらに、ペット販売業者に対しては、インターネット販売を規制するための「販売事業所における対面説明の義務付け」や生後56日以下の犬猫販売を禁じる「8週齢規制」やペット遺棄を防止するための「販売時のマイクロチップの装着・登録義務化」が来年以降、順次施行されます。

 本県においても、「動物虐待の防止」、「助けられる犬・猫の殺処分数削減」を目指し。動物愛護管理センターを中心に、大きな成果をあげていますが、今後、県民のさらなる愛護思想の確立と、「助けられる犬・猫の殺処分ゼロ」を目指し、動物愛護法一部改正への対応も含め、今後どのように取り組むのかお伺いします。

⑤次に、獣医師職員の処遇改善についてお伺いします。

 公務員獣医師の確保対策について、2月議会で寺井議員が取り上げていただきました。私も、過去何度か本会議でこのテーマを取り上げてきましたが、やはり、獣医師職員給料表の改善が大きな力になるものと確信しています。

 県としてもこれまで、試験制度の変更や大学訪問、インターンシップなど、さまざまな取り組みをしていただいていますが、採用予定者数を確保できず、退職獣医師の再任用などで何とか業務を遂行しているとお聞きしています。

 本県の獣医師職員の処遇改善は、平成二十七年の人事委員会勧告で、初任給調整手当は全国トップクラスの月額五万円、四年目まで据え置き、その後漸減し、採用から十五年間の支給となっております。処遇改善の重要性を考慮していただいた結果だと敬意を表します。しかしながら現在の現役獣医師職員は、全て医師、歯科医師と同じ、六年間の獣医学教育を受け、国家試験をクリアした獣医師であります。  

 しかし、給料表を見ると、医師は医療職1表、獣医師は医療職2表、と異なっており、給与の比較でも大きな開きがあります。獣医師の処遇改善を進めていかないと、ますます県庁を希望する獣医師が不足すると考えます。  

 そこで、お伺いします。給料表は人事委員会の勧告事項であり、全国的な大きなうねりが必要だとは思いますが、全国知事会長である飯泉知事の大きなリーダーシップにより、公務員獣医師給料表の改善に向けた動きをしていただきたいと考えますが、ご所見をお伺いします。

                                                        (庄野議員降壇)

答弁

①「気候変動対策への取組み」についてのご質問でございますが、世界の気温は、産業革命以降、既に1度上昇しており、「パリ協定」では、これまでの上昇を含め1.5度以下に抑えるとの合意形成がなされ、日本では、2050年に「温室効果ガス排出量」を「2013年度比で80%削減」する目標を掲げております。

県におきましては、全国初となる「脱炭素社会の実現」を掲げる「すだちくん未来の地球条例」や、「徳島県・地球温暖化対策・推進計画」に基づき、「自然エネルギーの導入促進」や、環境団体と連携した「普及啓発活動の実施」等、ハード・ソフト両面による対策を推進して参りました。その結果、2017年度の温室効果ガス排出量は、2013年度比で「約23%」の削減を実現しており、「2030年度・50%削減」の目標達成に向け、 順調に推移しているところです。更に、究極のクリーンエネルギー「水素」については、去る5月28日、「東亞合成・株式会社」が行う、全国初となる「地産エネルギー・副生水素」を活用した製造と供給を一体的に行う「水素ステーション」に対し、

国庫補助金の交付決定がなされたところであり、今後、「水素の社会実装」を一層加速して参ります。また、各国が温室効果ガス排出量の削減目標を達成ても、世界の平均気温は中長期的に上昇することが避けられず、「大雨の頻度」の増加や農作物の「品質低下」、更に議員お話しの「媒介動物」による「感染症の蔓延」等のリスクが増大することが懸念される一方で、ハモやアシアカエビなど「南方系魚介類」の漁獲量増加やワカメをはじめとする県独自の「気候変動・対応型品種」の開発など、プラス面も期待されるところであります。そこで、去る3月に策定した「2050年・温室効果ガス排出量・実質ゼロ」を目指す「徳島県・気候変動対策・推進計画(緩和編)」と併せ、今年度、「新たな処方箋」として気候変動の影響によるリスクや被害を最小限にとどめ、「影響のプラス面」を効果的に活用する「気候変動対策・推進計画(適応編)」を策定し、「緩和」と「適応」の「両輪」により、総合的な施策を強力に展開して参ります。今後とも、気候変動に臨機応変に対応し、県民の皆様の「安全・安心な暮らしの確保」や、「持続可能な社会の未来への継承」に向け、「環境首都とくしま」として、日本、そして世界をリードしていくとの気概をもち、全力で取り組んで参ります。

答弁

②次に、「アフターコロナ時代における、本県の情報発信」についてのご質問でございますが、本県ではこれまで、「豊かな自然」や、「全国最先端のICT環境」を併せ持つ環境を活かし、「サテライトオフィス」や「デュアルスクール」により、自然の中での開放的な暮らしぶりをアピールポイントとして、情報発信を展開することで、都市部から、多くの移住者を呼び込んで参りました。このたびの「新型コロナウイルス」感染症は、都市部を中心に、社会経済活動に深刻な影響を与え、過度な人口集中が、感染症に対して、いかに脆弱かを浮き彫りにする一方で、リモートワークをはじめとする「新たなライフスタイル」の導入は、若者を中心とした価値観を変容させ、今、まさに地方回帰への関心が大いに高まっております。加えて、これまで「岩盤規制」とされてきた「オンライン診療」や「遠隔授業」が実現するなど、「新しい社会への気づき」を促したことで、「今回のライフスタイルの変革」は、一過性ではなく、コロナ終息後の社会においても、「新常態(ニューノーマル)」として根付いていくものと認識しております。

全国一の立地数を誇る「サテライトオフィス」に代表されるように、本県において「新しい生活様式」が、既に「日常の姿」として息づいている姿を発信することは、「とくしま回帰」の「重要な鍵」になるものと考えております。

 そこで、今般のコロナ禍を受け、国内データ通信量が「5割増し」となるなど、動画視聴回数が大きく増加していることから、 徳島での暮らしの中での、

自宅、学校、店舗といった様々な場面における「徳島の日常」を映像化して、訴求力の一層高まった「動画のネット配信」をフル活用し、情報発信を展開して参ります。動画制作にあたっては、ご覧いただく方の心をより惹きつけられるよう、県内で活躍する「映像クリエイターの皆さん」による見る人の気持ちを揺さぶる「尖ったデザイン」や「ユニークな演出」、臨場感あふれる「VR動画」の活用といった、「創造性」あふれる映像でオンラインを活用した「働き方」や、自然と調和した「暮らしぶり」など、「徳島らしさ」を表現し、地方移住に興味・関心を持つ方の感性に訴えかけて参ります。 

 今後到来する「アフターコロナ社会」に先んじて、「徳島ならでは」の情報発信を展開し、「とくしま回帰」を推進することにより、新時代における地方創生を徳島から実現できるよう、積極果敢に取り組んで参ります。

答弁

③「新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた積極的な企業誘致を推進してはどうか」との、質問でございますが、企業誘致の推進は、国内における「安定的」かつ「適正な産業配置」とともに地方経済の活性化と雇用創出を図る上で、極めて重要であると認識しております。

 本県ではこれまで、世界的な強みを有する「製薬」や「LED」をはじめ、

 「ものづくり産業」の集積や拠点化を進めるとともに、全国屈指の「光ブロードバンド環境」を生かし、多くの雇用創出が見込まれる「コールセンター」や「データセンター」の戦略的な企業誘致を進めて参りました。

 この結果、これまで、製造業で「40社」、情報通信関連で「49社」、「総数89社、延べ130」を超える事業所の新設や増設が行われ、約3,000名の雇用が創出されております。この度の「新型コロナウイルス感染症」の拡大により、大都市圏における「過密社会の脆弱性」が浮かび上がるとともに、

「テレワーク」や「オンライン会議」など、「多様で柔軟な働き方」の普及と相まって、社会の価値観が、「密から疎」へと変革しつつあり、まさに、「地方の魅力」が、これまで以上に、大きく見直されてきております。

 この「潮流」を絶好のチャンスと捉え、首都圏、関西圏で開催する「徳島ビジネスフォーラム」のリモート配信、注目を集める「サテライト・オフィス先進地」の「4Kやドローン空撮映像」での紹介など、工夫を凝らし、「リアルとリモート」を組み合わせた 効果的な誘致活動を進めて参りたいと考えております。

 加えて、既に徳島県に立地をいただき、「創業・成長」を実現された、「サテライト・オフィス経営者」にも参画いただき、「人的ネットワーク」を生かした強い情報発信により、「企業が企業を呼ぶ」仕組みを創設し、より戦略的な「プロモーション活動」へとつなげることで、「徳島が創業の地」として選ばれるよう、官民協働で取り組んで参ります。

答弁

④「動物愛護思想の確立」、「助けられる犬・猫の殺処分ゼロ」についてのご質問でございますが、県では、昨年4月、「動物の愛護及び管理に関する法律」の一部改正に対応し 今後10年間の動物愛護管理に関する目標、施策を定めた「徳島県・動物愛護管理・推進計画」を策定したところであります。

  この「推進計画」では、行政、住民、各団体が一体となって地域の取組みを促し、「動物の適正飼養の啓発と徹底」による「動物遺棄・虐待防止対策」に取り組むとともに、「助けられる犬・猫の殺処分ゼロ」を目標として、様々な施策を展開することとしております。

 議員お話の「犬・猫の所有者に対する繁殖制限・義務化」については県獣医師会をはじめとする関係団体と協力し、「不妊去勢手術のメリット」や、昨年度に、支援内容を充実した「手術の助成制度」の周知を図って参ります。

 また、今回、虐待であることが明記された「著しく適正を欠いた密度での飼育」に関しては、市町村等と連携し、「犬・猫の多頭飼育」の実態把握に努めるとともに、無制限な繁殖により、飼育管理が困難な状態に陥らないよう、動物愛護管理センター及び保健所の動物愛護管理監視員が 適切な助言、指導を実施して参ります。

 さらに、ペットの遺棄防止のための、「販売時のマイクロチップ装着・登録の義務化」や幼齢な個体を親から引き離す虐待行為を防ぐため、生後56日以下の子犬、子猫の販売を禁止する「8週齢規制」などについては、動物取扱業者に対する「動物取扱責任者研修」の実施や動物愛護管理監視員による定期的な「監視、指導」により「新たな制度の周知」とともに、「法令遵守及び事業者責任の徹底」を図って参ります。

 本県においては、これまでの取組みの成果として、平成30年度から令和元年度にかけ、「犬・猫の譲渡頭数」が314頭から205頭増の519頭「助けられる犬・猫の殺処分数」が357頭から303頭減の54頭となっており、目標達成に向け、着実に歩みを進めているところです。

 今後とも、「推進計画」に基づいた様々な施策の実施により、法改正に的確に対応するとともに、「動物の虐待防止」、「助けられる犬・猫の殺処分ゼロ」の実現に向け、「動物愛護思想」の浸透による「人と動物がともに暮らせる『うるおいと喜び』のある地域づくり」にしっかりと取り組んで参ります。

答弁

⑤「公務員獣医師給料表の改善に向けた動き」についてのご質問でございますが、「高病原性鳥インフルエンザ」や「CSF(豚熱)」をはじめとする家畜伝染病の侵入リスクへの対応はもとより、食品に対する安全性確保への取組みなど多様かつ専門的な知識に基づく、公務員獣医師の「役割や責務」は、近年益々増加しております。

 しかしながら、獣医学生の間では、「大都市圏」において、犬や猫などの「小動物」の臨床を希望される方が多く、特に「地方」において、公務員獣医師の確保は大変厳しい状況にあります。そこで、より多くの方に、本県で、公務員獣医師として働くことを希望していただけるよう、給与面におきましては、平成14年度から、家畜保健衛生所勤務の獣医師に対し、「給料の調整額」を支給するとともに、平成20年度に「初任給調整手当」を創設し、平成28年度には、支給額を全国トップレベルに引上げるなど、早い段階から処遇改善を図り、毎年度、一定数の獣医師を確保しているところです。

 一方、近年、「新型コロナウイルス感染症」をはじめ、従来、知られていなかった、新しい感染症が次々と発見され、しかも、その多くが「動物由来感染症」とされております。

 こうした中、その対策を担う、公務員獣医師の安定的な確保は、本県のみならず、全国的な課題となっていることから、公務員獣医師の処遇を、その「役割」と「社会的評価」に見合ったものへと改善していくことが大変重要である

と認識しております。

 そこで、全国知事会・会長県として、全国をリードしていく立場にある本県が率先し、現在、「総務省が定める基準」により、公務員獣医師に適用する給料表が決められていることに対し、各自治体が、主体的に見直しを行えるよう、

内閣府に対し、「規制緩和」の提案を行ったところであり、今後、関係省庁に対しても、時宜を得た「政策提言」を実施したいと考えております。

 また、「給料表」をはじめとする給与制度の見直しには、第三者機関である

「人事委員会」との連携が必要であることから、公務員獣医師を取り巻く現状について、同委員会と情報共有を図り、本県が、「全国のモデル」となるような、「給料表の改善」をはじめとする「獣医師の処遇改善」に、積極的に取り組んで参ります。

庄野議員登壇 コメント

1.まず、気候変動対策については、気温や海水温の上昇などによる、台風の巨大化による自然災害の発生や、この度の新型感染症の発生など、今後地球全体で考えていかねばならない大きな課題です。本県でも、水素など先進的な取り組みを進めています。引き続いての取り組みをお願いします。

2.本県への移住促進については、コロナが一つのきっかけとなり、地方、田舎での暮らしを望む方が増えてくると思います。仕事の紹介、住居の紹介なども重要となってくると思いますが、積極的な情報発信をお願いします。

3.コロナ後の企業誘致については、「リアルとリモート」を組み合わせた効果的な誘致活動を進めるとの答弁をいただきました。他県との競争になるとは思いますが、アンテナを高くし、頑張っていただきたいと思います。

4.動物愛護思想の確立、助けられる犬、猫の殺処分ゼロに向けての取り組みは、平成30年度から令和元年度にかけ、犬猫の譲渡頭数が314頭から205頭増の519頭、助けられる犬、猫の殺処分数が、357頭から303頭減の54頭となっているとの、答弁がありました。動物愛護管理センターを中心に、ボランティアの方々や、獣医師会、関係各位のご尽力に敬意と感謝を申し上げます。これからも、法改正に的確に対応され、助けられる犬猫の殺処分ゼロに向け、県民への啓発などさらに取り組みを進めていっていただきたい。と思います。

5.獣医師職員の処遇改善については、公務員獣医師に適応する給料表について、内閣府に規制緩和の提案を行ったとのご答弁があり、また本県が全国のモデルとなるような給料表の改善に積極的に取り組むとの非常に前向きな答弁をいただきました。人事委員会とも連携し、早期処遇改善がなされるように期待をしています。ありがとうございました。

それでは、質問を続けます。

⑥人権侵害への対応についてお伺いします。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々な人権侵害が起こっております。

 一つは、感染者本人やご家族、濃厚接触者、医療従事者などへの偏見や差別です。

また、感染のリスクに立ち向かいながら、仕事を継続しなければならない方々との接触に対して、一部「嫌悪感や危険視」の対象とされるような悲しい現実もあります。「新しい生活様式」のなか、なるべく接触を避けることは必要ですが、社会全体で感染症などに対する正しい知識を共有し、過度な偏見を持たない、倫理感ある行動が必要であります。

 コロナウイルス感染症は、ワクチンも治療薬も開発されていないためか、人々に多くの不安や恐怖を与え、そのことによって他人に不寛容となり、誹謗中傷や差別につながっております。この未曽有の事態の中、社会を支えている人々には、感謝するのが当然だという認識を広げる取り組みが必要ではないでしょうか。県においても「人権侵害は許さない」といった強い思いで広報活動を行うべきと考えております。

 また、インターネット上の書き込みにおける誹謗中傷事案も発生しています。女子プロレスラー、木村花さんのテレビのバラエティー番組での言動でSNSが炎上し、多数の匿名の罵詈雑言が彼女に浴びせられ、自ら命を絶ったと報道されています。22歳という、あまりにも若い方の死に、心が痛みます。

 このような誹謗中傷や差別を助長する書き込みは、インターネットの社会であふれております。県では、私からもご提言申し上げ、平成30年度から、人権ネットモニタリングを行い、定期的に監視を行っておりますが、悪質な差別書き込みのすべてを削除することはもとより不可能であります。

 国は、プロバイダー責任制限法の改正による発信者の特定を容易にする制度の構築を検討しておりますが、県としても悪意ある言葉や被害者の痛みにどう対応していくかが問われていると思います。

 そこでお伺いします。新型コロナウイルス感染症にかかる人権侵害やインターネット上の人権侵害に対し、どのように取り組むのか、お伺いします。

⑦次に、本県畜産ブランドへの支援対策についてお伺いします。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、本県の畜産は、今、大きな危機に立たされています。

 特に、高価格帯の食肉、阿波牛や阿波とん豚、阿波尾鶏などの徳島のブランド品は、県内外のホテルや外食産業の需要が大きく減少しています。

 阿波牛については、4月補正予算にて対策が提案され、学校給食で子供たちに本県のブランド和牛を食べていただく用意ができており、食育にもつながると期待しています。

 今、畜産物の消費は、家庭内へと移行しており、スーパーでも一般の豚肉、鶏肉の売れ行きは比較的堅調に推移しているところですが、反面、和牛肉をはじめとする高価格帯の食肉は、販売が著しく低迷しています。

 特に、本県において、官民一体となって、長年にわたり育んできた「阿波尾鶏」、「阿波とん豚」は、先の委員会で報告された県の調査によると、取引量が約7割も減少しており、かつて、畜産行政に携わった経験のある私としても、生産者、関係者のご苦労を思うと、悲しい気持ちになります。何とか、みんなの力をあわせ、知恵をだして、この危機を乗り越えていかねば、と思います。

 「阿波尾鶏」は、県南部や県西部を中心に、豊かな自然環境のなか、愛情を注いで育てられ、厳重な品質・流通管理体制のもと、本県のみならず、全国の消費者の皆様方へ届けられており、地鶏のリーディングブランドとしての揺るぎない地位を確立しています。

 また、「阿波とん豚」は、日本イノシシの遺伝資源を活用し、肉の「柔らかさ」や「ジューシーさ」、滑らかな品質の脂(サシ)が特徴であり、全国に誇れる最高の豚肉だと思っています。これら本県が誇る畜産ブランドを、しっかりと守っていく必要があると強く考えているところであります。

 開会日に、知事から本県農林水産業の事業継続について言及がありましたが、県がしっかりとこの緊急事態に、畜産農家や関連業界の皆様方が、将来にわたり希望を持って経営を行えるよう強力に支援をすべきであります。

 そこでお伺いします。本県畜産ブランドである「阿波尾鶏」「阿波とん豚」を守っていくため、今後どのように取組んでいくのか、ご所見をお伺いします。

⑧次に、公立・公的病院の病床数は、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の経験から安易に削減すべきではないという見地から質問します。

 厚生労働省は、昨年9月26日、「再編・統合等の議論が必要な病院」として、全国424の公立・公的病院のリストを公表しました。

 厚生労働省の分析は、2017年の古いデータが使用され、地域の実情を考慮しない全国一律の基準であり、唐突な公表の仕方は非常に乱暴なものでした。

 各地で、名指しされた病院はなくなると受け止められ、地域住民の不安と混乱を招き、自治体や議会からは抗議の声が上がったことを思い出します。

 今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大では、医療現場の血のにじむようなご苦労、院内感染の不安、命の危険と隣り合わせという、大変な状況が浮かび上がりました。

 特に、公立・公的病院は新型コロナウイルス対策で中核的役割を果たし、非常時において、地域医療を支える非常に重要な存在であることが、改めて認識されたところです。

 新型コロナで、多くの死者が出ているイタリアでは、財政健全化のために、過去5年間で760の医療機関が閉鎖され、医師も看護師もそれぞれ5万人以上不足しているとの報道もあります。

 感染第2波、第3波に備え、人の命を守る病院の病床数を、社会的資本として確保しておくことは、大変重要なことであると考えます。

 そこで、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、公立・公的医療機関の再編統合を今後どのように進めていくのか、お伺いします。

⑨次に自殺対策についてお伺いします。

  我が国の自殺者数は、平成10年から平成23年までの間、3万人を超えておりましたが、令和元年においては、2万169人となるなど、徐々に減少しており、本県においても、ここ10年間の自殺者数についても減少傾向でありました。

 しかしながら、5月26日の新聞報道によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大による解雇や雇い止めは1万人を超えており、また、5月28日の新聞で紹介されておりましたが、電話で、悩みの相談を受け付けるNPO法人「東京自殺防止センター」において、3月に入り、新型コロナウイルスに関する相談が急増したとのことです。

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常生活を取り戻し、「経済活動」や「学校活動」が再開されることに伴い、人間関係によるストレスや新しい環境への適応、失業、借金といった生活困窮の問題など、「コロナ疲れ」、「コロナうつ」、「五月病」となる方々が増加するおそれがあります。

 特に、若者の自殺は、長期の休み明けに起こりやすいということに加え、学校の長期休校に伴う、受験勉強や将来に対する不安、確かな人生設計が見通せないなど、若者の自殺増加が懸念されます。

 また、新型コロナウイルスを契機に、在宅勤務、テレワークが進み、これまでの働き方さえも変えてしまうなど、多大な影響を与えており、在宅勤務の孤独感による「テレワークうつ」も注目されています。

 社会のあり方を変え、働き方までも変えた、新型コロナは人々の心に大きなダメージを与えています。心の不安や経済的な苦境から、自殺者が増えるおそれがあり、新型コロナ禍における相談事業に万全を尽くさなければなりません。

 そこで、お伺い致します。新型コロナ禍における自殺対策に今後どのように取り組むのか、ご所見をお伺いします。

 ⑩次に、木育の推進についてお伺いします。

 森林は、鳥や動物、昆虫など様々な生命を育み、空気と水を浄化し、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスを吸収し、木の中に炭素として、固定するなど、貴重な「多面的機能」を果たしています。

 しかし、地球規模的に見れば、特に南米やアフリカで大規模な森林減少が起こっていることが報道されています。森林減少が続けば、地球温暖化を食い止めることも難しくなります。一方、国内の林業の状況は、木材輸入の自由化や価格の長期低迷で管理が行き届かない森林が多く存在しています。

 森林を適正に管理することにより、木材の価値を高め、多面的機能を確保、充実させていくことは将来世代にとっても重要です。幸い、森林環境税も導入され、林業従事者、担い手の確保などにも大きな力となり、山の管理、適正化にも力を発揮すると思います。

 本県も、県産材の積極的な活用として、公共施設への木材利用、また、子供の教育、「木育」ということが近年注目され、木のおもちゃを子供の誕生のお祝いに送る自治体も増えてきています。私も、今年の2月に東京で開催された、第7回木育サミットin新木場にも参加してきましたが、子供の頃から木を身近に使っていくことを通じて、森林、林業、林産業を元気にさせ、山村、里山を中心とした地域経済を活性化させることにもつながります。

 しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症により、景気が失速する中、林業や木材業界も、木材需要が低迷し、大きな影響を受けていると聞いております。

 また、外出の自粛や、施設の利用制限などで、親子でのびのび遊べる場や、学べる機会も少なくなっております。

 こうした状況の中、県が「あすたむランド」に設置しようとしている、「徳島木のおもちゃ美術館」は、林業関係者だけでなく、多くの子育て世代からも、コロナ収束後の明るい話題として、期待の声が寄せられております。

 また、にぎわいづくりの観点からも、全国から多くの方が訪れてもらえる魅力的な施設としていただきたいと思います。

 そこでお伺いします。「徳島木のおもちゃ美術館」について、県民に親しまれる木育の拠点として、また、コロナ収束後に、全国から誇れる観光拠点を目指し、どのように整備していくのか、ご所見をお伺いします。

                                                          庄野議員降壇

答弁

⑥「新型コロナウイルス感染症にかかる人権侵害やインターネット上の人権侵害に対し、どのように取り組むのか」とのご質問でございますが、新型コロナウイルス感染症は、誰もが感染する可能性があるにもかかわらず、本県を含む全国で、「感染された方」や「医療従事者」、そのご家族等に対する「誹謗中傷」や「差別」事案が発生しております。

 議員お話のとおり、「医療従事者」をはじめとする、社会生活に「必要不可欠」な仕事を担われている「エッセンシャルワーカー」の皆様方は感謝されるべき存在であって、「誹謗中傷」や「差別」につながる行為は、決して許されるものではありません。県では、人権に配慮した対応を促すため、いち早く「人権啓発ポスター」を作成し、市町村や関係団体に配布するとともに、「スポーツ」や「文化」など、各界でご活躍されている本県ゆかりの皆様にご協力いただき、「思いやりでコロナに打ち勝つメッセージ動画」を作成し、動画共有サイト「ユーチューブ」での配信、県の「新型コロナウイルス対策ポータルサイト」やSNSでの情報発信を行うなど、啓発を強化しているところであります。

さらに、インターネット上の人権侵害についても、県が実施している「差別書き込みに対するモニタリング」において、先月15日から、「新型コロナ対策・政策創造・情報発信タスクフォース」の職員や「県内の大学生」により、体制を大幅に増強し、新型コロナ関係の「悪質な書き込み」についてプロバイダー事業者への削除要請を行っております。

 また、全国知事会では、国に対し、実効性のある「人権救済制度」の早期確立を繰り返し要望してきており、今回の「新型コロナ対策にかかる政策提言」においても、「人権に配慮した対策」を求める中、国においては、インターネット上の「匿名による誹謗中傷」に関し、投稿者を特定しやすくする「制度改正の検討」が進められているところです。

 県といたしましては、国の対応を待つことなく、被害者支援体制の強化を図るため、新たに、「インターネット上の人権侵害・相談日」を設け、弁護士による「投稿者に関する情報開示」や「法的措置」に向けた助言等、被害者に寄り添ったきめ細やかな支援を行って参ります。

 今後、「WITH・コロナ時代」においても、互いを思いやり、「すべての人々の人権が尊重される社会」の実現に向け、しっかりと取り組んで参ります。

答弁

⑦「『阿波尾鶏』『阿波とん豚』の支援対策」についてのご質問でございますが、この度の「新型コロナウイルス感染症」の影響により、本県が誇る畜産ブランドである「阿波尾鶏」や「阿波とん豚」についても県内外において需要が大きく減退しており、生産者をはじめとする関係者の皆様方から不安の声を、お聞きしているところであります。

 特に、緊急事態宣言の解除後、社会経済活動を段階的に引き上げる中にあって、畜産ブランドの需要を回復させていくためには「阿波尾鶏」「阿波とん豚」の滞留在庫の解消「新しい生活様式」に対応した需要喚起などが、喫緊の課題であります。そこで、本定例会において先議によりお認めいただいた「県産畜産物・活用型・経済活性化事業」により、生産者はもとより、ホテルや飲食店などと連携し、「阿波尾鶏」「阿波とん豚」をふんだんに活用した、テイクアウト商品やメニューの開発、ネット通販サイトによる食材セットの販売など、「新しい生活様式」に対応した需要の喚起を、一層、図って参ります。

 事業の実施に際しましては、健康的な飼育環境を伝える「動画配信」を併せて行うなど、民間事業者から幅広く「斬新なアイデア」をご提案いただき、効果的な対策を支援するとともに、「とくしま畜産ブランド」の魅力を全国の皆様に発信して参ります。

 さらには、県内大学の学生食堂を通じて、学生の皆さんに、「阿波尾鶏」「阿波とん豚」を利用した食事を提供し、将来にわたり、県産畜産物をご愛顧いただける「徳島ファン」の醸成に繋げて参ります。

 また、「阿波尾鶏」を、県内小中学校、特別支援学校の「学校給食」に提供し、地元の豊かな「食材の良さ」を学んでいただくことで、未来を担う児童生徒が、郷土に対し、「愛着と誇り」を育む機会へと繋げて参ります。

 今後、「ウィズ・コロナ」の時代に意欲ある生産者の皆様方が、夢と希望を持って経営に取り組めるよう、 本県畜産ブランドをしっかりと守り、育成するという強い気概を持って、畜産業の活性化により、地域振興に繋げて参ります。

答弁

⑧「新型コロナウイルス感染拡大を受け、公立・公的医療機関の再編統合をどのように進めていくのか」とのご質問でございますが、昨年9月26日、厚生労働省から「再編・統合等の議論が必要な病院」として、全国424の公立・公的病院が公表され、本県においては、最終的には4病院が対象となったところです。しかし、2月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、国が再検証を要請した当時から、医療現場を取り巻く環境は一変しており、公立・公的医療機関においては、「感染症指定医療機関」や「帰国者・接触者外来」の設置など、新型コロナウイルス感染症患者を治療する最前線として、大変重要な役割を果たしているところです。

 第2波、第3波に備えて、公立・公的医療機関の役割は、ますます重要になっており、公立・公的医療機関の再編・統合については、議論の土台自体を改めて、しっかり検討し直すよう、国に求める必要があると考えているところです。

 そこで、5月28日に開催された近畿ブロック知事会議において、「公立・公的医療機関の再編統合については、厚生労働省はもう一度考え直すべき」と飯泉知事から提案を行い、近畿ブロック知事会による「新型コロナウイルス感染症対策に関する提言」において、「コロナ対策に大きく寄与した公立・公的病院の体制の堅持」を訴えたところです。

 また、6月4日の全国知事会による国への提案・要望においても、「地域の公立病院の存在意義が実証されたことから、地域医療構想を進める上で十分に考慮すること」と提言したところです。

 もとより、「2025年問題」に対応し、持続可能な医療提供体制を構築するためには、国と地方が「共通の認識」を持ち、一致協力して、地域医療構想の実現を図ることが不可欠ですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、危機事象への対応も可能な体制を作るという視点も盛り込み、しっかり検討する必要があると考えております。

 答弁

⑨「新型コロナ禍における自殺対策について」のご質問でございますが、本県における令和2年4月の自殺者数は6人と、最近5年で最小となっており、1月から4月までの累計者数も31人と、「自殺死亡率」が「全国最小」であった、平成30年の同時期の35人と比較しても、減少傾向で推移しております。

 この傾向は、全国的にも同様であり、緊急事態宣言が出されたことにより、活動自粛が行われ、「社会的悩み」の減少や「家族らによる見守り」の増加などが要因とされております。

 しかし、社会経済活動が徐々に再開される中、「経済・学校活動等に係る対人関係」のストレスや、「失業・倒産等の経済的問題」などにより、「自殺リスク」が高まることが懸念されています。県では、今年度、精神保健福祉センーのサテライトを、南部と西部に設置し、「ひきこもり支援」の切り口で、「テレビ電話」を活用した「オンライン相談」を既に開始しているところです。

 また、「こころの相談支援」の入口を更に拡げ、感染リスクに配慮し、対面相談や街頭啓発といった、「従来型の活動」に代わる手法として、インターネット上で、不安や悩みについて、発信・検索した際に、「自殺予防の相談窓口」を広告の形で表示・誘導する「ICTを利用した新たな取組み」を開始いたします。

 この「検索連動型広告」による「非対面型の啓発事業」は、「WITH・コロナ時代」における「社会構造の変革」や、「ライフスタイルの多様化」において、今後、ますます重要性が高まると考えており、自殺の危険性がある方にネット上で思いとどまるよう、呼びかけることが期待できます。また、「検索キーワード」の組み合わせを月単位で変更することにより、「社会情勢の変化」に「柔軟かつ機動的」に対応し、悩みを抱える方を一人でも多く、相談窓口に結びつけて参ります。

 さらに、若い世代に利用者が多い、SNSの相談窓口を設置し、「隠れた相談ニーズ」の発掘や「気軽に相談できる体制」を構築して参ります。加えて、「広報媒体」としてのSNS機能を活用し、「心の不安」や「生活上の悩み」を持つ方々に対して、本県の新型コロナウイルス関連の様々な支援策を包括的に情報発信して参ります。

 こうした相談支援事業に万全を尽くし、「誰も自殺に追い込まれることがない『暮らしやすい徳島』の実現」に向け、全力で取り組んで参ります。

答弁

⑩「徳島・木のおもちゃ美術館(仮称)の整備」についてのご質問でございますが、本県は、県土の4分の3を占める「豊かな森林」に恵まれ、林業・木材産業をはじめ、木工・家具製造業などが古くから発達し、「遊山箱」や「阿波木偶」といった「木の文化」が息づいております。

 こうして培われてきた本県の「伝統や文化」を活かし、「赤ちゃんから高齢者」まで、多くの方々が「集い」、森林や木がもたらす恩恵を「学び、遊び、体験」できる新たな「にぎわい」の創出拠点として「木のおもちゃ美術館」を整備することとし、現在、「あすたむらんど徳島・四季彩館」を改修する、基本設計を行っているところであります。

 具体的には、「木の香り」が満ちあふれる館内に、感性豊かな心を育む「赤ちゃん木育広場」や、家族で木工体験が楽しめる「木育工房」をはじめ、VRやARにより「林業や大工の職業体験」ができる「ごっこ・フォレスト」「人形浄瑠璃」や「紙芝居」が楽しめる「ミニ農村舞台」などの配置を計画しております。また、木育の普及を担う常駐スタッフ「木育インストラクター」に加え、「森林の役割」や「木のおもちゃの遊び方」を伝えるボランティアスタッフ「木のおもちゃ学芸員」を養成し、心のこもった「おもてなし」の運営体制を構築することで、「子育て世代」はもとより、「幅広い世代の方々」にも 十分に満足いただける美術館を目指して参ります。

 さらに、県内20箇所で活動している「すぎの子・木育広場」に対する「人材交流」や、魅力的な「おもちゃの貸し出し」などを通じ、県内の「木育活動の活性化」を図るとともに、全国一の集客を誇る「東京おもちゃ美術館」の発信力を活用し、関西圏初の本格的な「おもちゃ美術館」として、県内外からの誘客に繋げて参ります。 

 こうした「木のおもちゃ美術館」の開館を、来年、開園20周年を迎える「あすたむらんど」の記念事業と位置づけ、来年夏予定の「記念イベント」を皮切りに、レストラン「くつろぎ館」の「木質化・リニューアル」、「木のおもちゃ発表会」、「完成前・内覧会」など、プレイベントを順次、開催した後に、あすたむらんどの「新たな中核施設」として、美術館を「グランドオープン」いたします。今後、「徳島・木のおもちゃ美術館(仮称)」がアフターコロナ時代に「癒やし」と「希望」を与え、多くの皆様から愛される施設となるよう、しっかりと整備を進めて参ります。

庄野議員3回目登壇 

コメント

6.新型コロナウイルス感染症に関しての、こころない、人権侵害や、SNS等を通じた人権侵害については、正義と勘違いして、だんだんとエスカレートする傾向が見受けられます。県として、いわれない誹謗中傷、差別事象については厳しい態度で取り組んでいただきたいと思います。

7.阿波尾鶏、阿波とん豚、は、徳島の畜産ブランドを代表する素晴らしい品質です。生産者が、将来に向けて安心して、飼育、生産ができるように継続した支援をお願いしておきます。

8.公立・公的医療機関の再編統合については、新型コロナ感染拡大を受け、大きな政策変更が求められています。地域の病院は、命の砦です。県としても、しっかりと守り抜いていただきたいと思います。

9.自殺対策については、ICTを活用した対策が取られようとしています。コロナの影響で、生活困窮や健康問題等による相談が増加すると思われます。SNS等、あらゆる手段を用いて、相談業務を遂行していっていただきたいと思います。

10.木育については、関西圏初の「徳島木のおもちゃ美術館」が令和3年度完成に向け、着々と準備されており、子育て世代はもとより、幅広い方々にも満足いただける美術館を目指すとのご答弁をいただきました。これからも、関係者のご協力をいただきながら、木の良さ、森林の持つ多面的機能を県民の皆様にもっと知っていただくような素晴らしい施設となることを期待しています。

  これで、全ての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。